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2025 全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第5大会(富士)レースレポート

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大会概要

スポーツランドSUGOでの第4大会からわずか1週間のインターバルを挟み、2025年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権は第5大会を静岡県・富士スピードウェイで迎えました。2週連続開催という異例のスケジュールの中、DELiGHTWORKS RACINGは前戦に続き、三井優介の1台体制で参戦。第4大会では2度の入賞を果たした一方で、公式予選での伸び悩みが課題として残りました。限られた準備期間ながら、チームは改善に注力し、その成果を富士で示すべく第5大会に挑みました。

日程 2025年9月5日(金)〜7日(日)
サーキット 富士スピードウェイ
ドライバー #3 三井優介(全戦出場中)

リザルト

専有走行 - Free Practice
9月5日(金) 専有走行1 天候:曇り/路面:ドライ P4(1'34.263)
9月6日(土) 専有走行2 天候:曇り/路面:ドライ P4(1'33.833)
公式予選 - Qualify
9月6日(土) 第13戦 予選 天候:曇り/路面:ドライ P4(1'33.441)
第14戦 予選 天候:曇り/路面:ドライ P4(1'33.546)
決勝 - Race
9月6日(土) 第13戦 決勝 天候:曇り/路面:ドライ P4
9月7日(日) 第14戦 決勝 天候:晴れ/路面:ドライ P2
第15戦 決勝 天候:曇り/路面:ドライ P13

セッション別ハイライト


専有走行
9月5日(金)/9月6日(土)


9月5日(金)は2回の専有走行が予定されていましたが、台風15号の影響で中止となりました。午後に天候が回復し、代替として9月5日17時25分開始と、予選前日の9月6日(土)7時55分開始の各30分枠が設定されました。

風の影響で路面の回復が早まり、17時25分の専有走行1回目はスリックタイヤでスタート。日没間際の薄暮の中、三井は周回を重ね、1分34秒263を記録して4番手で初日を終えました。

明けた6日(土)の富士スピードウェイは台風一過の晴天。早朝7時55分の専有走行2回目は一部にウエットパッチが残る状況でしたが、三井は1分33秒833まで短縮し、前日同様4番手でセッションを終えました。


公式予選
9月6日(土)


第13戦の公式予選では、前大会の反省を活かしてアタックのための良い位置取りを確保し、5周目に1分33秒441を記録。4番手という好位置につけました。

続く第14戦の予選に向けては、10分間のインターバルでセットを調整し、再びアタックに臨みましたが、ベストは1分33秒546。第13戦のタイム更新はならず、こちらも4番手という結果でした。


決勝
9月6日(土)/9月7日(日)


第13戦の決勝は4番手からのスタートでした。スタートで大きくホイールスピンを喫して出遅れましたが、前方でトップ争いが激化し接触・スピンが発生する中、三井は4番手まで挽回。その後はいったん5番手に後退しました。15周目にはストップ車両によりセーフティカー(SC)が導入され、上位選手に接触による5秒のタイムペナルティが科され、最終的に4位でレースを終えました。

第14戦の決勝は、前日同様に4番手からのスタートでした。第13戦での課題だったスタートを修正し、今回は好スタートを決めました。1周目に前方車両がわずかにアウトにはらんだ隙を突いて2番手に浮上。その後も集中を切らすことなく走り切り、2位でチェッカーを受けました。自身にとって、そしてDELiGHTWORKS RACINGにとっても、待望の初表彰台を獲得しました。

第15戦の決勝は、第13戦の結果により4番手からのスタートでした。前方車両がわずかに出遅れるなか、三井はオープニングラップで3番手へ浮上。その後は4番手・5番手の選手と三つ巴のバトルが続きました。ファイナルラップのTGRコーナーでは三台横並びのスリーワイドとなり、コカ・コーラ・コーナーに向けて好位置を保っていましたが、直後に左リヤタイヤがパンクしてコースオフ。この影響でチェッカーフラッグは受けられませんでしたが、大会規定により完走扱いとなり最終結果は13位でした。

ドライバーコメント

DELiGHTWORKS RACING 三井優介
#3 三井優介

この富士大会では、目標としていた表彰台を獲得でき、率直にうれしかったです。予選を含む課題に対してチーム全体が着実にパワーアップできていますし、自分自身も成長の手応えを感じています。スーパーフォーミュラ・ライツでしっかり戦える確かな感触を得ました。

一方で、第15戦はシンプルに結果を持ち帰りたかったのが正直なところです。『良いファイトだった』と言っていただきましたが、目前に3位がある状況で結果に結び付けられなかったのは、とても悔しいです。今季初めて本格的なバトルができましたが、次戦に向けて調整すべき点だと受け止めています。

また、これまでのように“ただ抜かれる”だけではなく、しっかり対抗して抜き返すところまで来ていますので、相手に与える印象も変えられたと思います。クルマもレースごとに仕上がってきていると感じています。 掲げていた表彰台という目標を達成できたので、次の目標は優勝です。次戦のもてぎでは、そこにフォーカスして臨みます。

アドバイザーコメント

DELiGHTWORKS RACING Nobuharu Matsushita
松下 信治

今シーズンを通じて最も手応えのある大会となりました。マシンは確実に良化し、ドライバーも良いレースをしてくれたことで、十分に戦える力を示せました。第13戦で課題となったスタートは翌日にしっかり修正でき、第15戦のバトルも、これまで伝えてきた点が改善された結果で、とても良かったです。

一方で、最後のレースで結果に結び付かなかったのは残念です。モータースポーツは、やはり結果がすべて。接触せずにクルマを持ち帰ることが何より重要だと考えています。それでも、総じて実りあるレースウイークだったと評価しています。

最終大会はもてぎです。チャンピオンはすでに決まっていますが、三井選手にとっては来季に向けて勝ち取るべきものが多く残っています。そうしたレースを実行できるよう、私たちも全力でサポートしていきます。

DELiGHTWORKS RACING Tomoki Nojiri
野尻 智紀

結果もそうですが、試行錯誤や失敗を重ねる中で、自分自身とクルマのパフォーマンスを100%引き出すための取り組み方に大きな進歩が見られました。もともと三井選手は“走らせる力”のあるドライバーですが、その強みにはさらに磨きがかかり、準備や仕事の進め方の面でも成長を感じています。

もちろん本人も自覚していると思いますが、2位や3位で満足して終わるわけにはいきません。今大会は、一瞬でもトップを走れた可能性があったはずです。そこに到達するために何ができたのかを常に問い、次戦に向けても試行錯誤を続けてほしいと思います。

チーム代表コメント

下山 征人

まずはじめに、日頃よりご支援・ご声援をいただいている皆様、そして現場での走行を支えてくださっている関係者の皆様に、心より御礼申し上げます。

前回大会から新たにエンジニアが加わり、レースウイークの立ち上がりから進むべき方向性を明確にできました。台風の影響はありましたが、不安のない準備で臨めたと思います。ドライバーは表彰台を狙う強い意志で戦い、ニュータイヤを使う戦略もうまく機能しました。

第13戦のスタートは課題となりましたが、第14戦・第15戦ではしっかりと修正でき、自信につながりました。第14戦の2位は、レースをきちんとまとめ上げた結果であり、評価できる内容です。第15戦でも好スタートを決め、レース展開の中で粘り強く戦う姿勢がはっきりと見えました。

最終レースは結果に結び付きませんでしたが、私たちは育成チームです。あのような激しいバトルから得られた学びは大きく、チームとしての一体感も高まりました。シリーズ全体としても、あのようなバトルが増えれば一層盛り上がるはずです。

いま、チームの方向性ははっきりしてきています。最終大会のもてぎで、すべてをまとめ上げて“勝ち”を掴めたら最高です。

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